古い日記を整理していたら、こんな言葉が残っていた。
●黒沢清監督から直接貰った言葉、
『「ナショナルアンセム」はよく撮ったよ。君は自分の才能に自信を持って良いと思うよ』
●中原昌也さんから貰ったメール、
『いきなりですが『ナショナル・アンセム』傑作ですね!凄く面白かったです。才能ありますよ、西尾さんは!』
↓
ビックリして「厳しい意見も下さい」と返事
↓
『これはわざわざ僕が言わなくとも自覚されてるんでしょうが、
黒沢清テイストが強すぎるところが気になります...。
群像劇という意味ではエドワード・ヤンの「恐怖分子」を
ちょっと思い出させはしましたが...やっぱり黒沢節ですね!
後半になるにしたがって何か初期の黒沢さんの映画っぽくなってるし。
いや、それでもなかなかよく出来てるし、すごく才能を感じましたよ。
自主でここまで出来れば大したものです(確かに音声の同録とアフレコにバラつきを感じますが)。
僕に言われなくても、黒沢さんテイストを徐々に消していく作品を作って行くのだろうと思います。』
『ナショナルアンセムは』完成から1年間、誰からも評価されなかった。
映画祭も予選で落選しまくった。
諦めかけた。もう駄目だ。
その1年後、黒沢さんと中原さんから貰った言葉は、
それから何年間も、僕を走らせている。
自分が大切に思っている人から貰う評価の言葉は、
若いクリエイターを数年間走らせるガソリンになる。
僕はまだ、あと数年は走れそうだ。
しかも今回の上映で高橋さんに選んで頂いた事で、また新しいガソリンを注入できた。
残るは9日(水)の上映のみである。
是非、ご覧頂きたい。
(西尾孔志)