急遽決まった追加トークでしたが、中原効果か、たくさんのお客さんが来てくれました。
中原さんは『ロッキー』最新作を引き合いに、かつての映画と比べて現代の映画がどうしてもチープに見えてしまうのは何故なのだろうかと、かなり根源的な問題提起。
僕はクローネンバーグの『イースタン・プロミス』を引き合いに、かつてのクローネンバーグは本当に通俗の力で勝負していた、今の彼は悪い意味の通俗(ありきたりの想像力を引き延ばしている)に陥っているのではないかと切り返す。
中原さんは共感を強いることが悪い通俗ではないか。僕もそこは納得、死を引き延ばして描いたりするのは、まさにその悪しき共感だと。そこから『狂気の海』の話に入ってゆくのだが、時間切れ、議論は飲み屋に持ち越されました。
なお、昨今の自主映画に相当苦言を呈したい中原さんでしたが、『アカイヒト』は気に入ってくれたようです。あの鬼女の手が伸びて来るカットに撃たれたと。でも、何で『アカイヒト』ってタイトルなの?と素朴な疑問が。(高橋洋)