監督:松村浩行 撮影:秋元エマ ドイツ語監修:渋谷哲也
出演:Felix Owusu、永野雄太、凌雲鳳、Pol Malo、Edriss Alexis
■ 能曲「谷行」を翻案したブレヒトの学校オペラ「イエスマン(初稿)」「ノーマン」「イエスマン(改定稿)」の映画化。病気の母親のため、薬を求めて山越えの旅に随行した少年は自らも罹病してしまう。
少年の「処置」をめぐる結末とは‥‥。
少年の「処置」をめぐる結末とは‥‥。
「MORE YESMAN」に対するさらなる<NO>の可能性が見る者への問いとして突きつけられる。
● これは第一回美学校映画祭で見て驚いた。傑作だった。一見同じに見える芝居にその都度のバージョンがあり、それぞれに真実があるというのは、おそらく演劇ならではの発想だと思うが、同じことが簡単にできてしまう映画はこういう反復にたいがい無力をさらけだす。だいたい時制を戻すだけでもいちいち大変だ。それを作者は三度繰り返すという冒険に挑み、その反復に耐えるだけの緊密な芝居を作り上げたのだから、よくぞ成し遂げたと思う。三幕目が始まった時はおお!と心の中で快哉を叫んでいた。
(黒沢清)
(黒沢清)